良かれと思った改革が、部門と立場の対立や、短期目線の偏重によって、思わぬ方向へミスリードするーー。
予測不能な環境下で、個・チーム・組織のベクトルを揃え、短期目標と中長期の価値創出を両立しながら、前進し続けるにはどうすればいいのか。
これは、変革を担うリーダーにとって、避けては通れないテーマです。この根深い課題を解く鍵は、組織を『多様な個性や価値が相互作用する、一つの生態系』と見なすことにあります。
その視点に立ち、対立さえも創造のエネルギーへと昇華させるアプローチが、「多項動態の経営ファシリテーション」です。事業と組織変革の最前線に立つ劉亦天と、デザインの知性で組織の可能性を探究する小田裕和。
MIMIGURIの実践者2名が、参加者の皆様とのライブな交流と対話を通じて、この新たな方法論の本質と実践知を紐解きます。ご参加を心よりお待ちしております。
二つの大切なものの間で、板挟みになった経験はありませんか?
私自身、企業変革や日々の仕事、生活の中で、様々な対立と矛盾に悩んできました。
上海で生まれ、8歳で東京に移住してきた私は、祖国の中国に戻ると逆カルチャーショックを受け、自分の居場所とアイデンティティを見失った時期がありました。
また、企業変革の仕事では、事業と人、短期と中長期成果の間で生まれる主従・対立関係において、その両立の難しさに葛藤したこともあります。
どちらも大切だからこそ、簡単に選び取ることができない。
でも、その葛藤に向き合うことこそが、実は企業や個人にとっての生まれ変わるチャンスかもしれないと、少しずつ思えるようになりました。
大切なものが対立する関係から、両立し調和できる多項動態の関係へ。
組織、チーム、個人が対立と矛盾をどう再編集し、力に変えていくか、一緒に探究する時間にできたら嬉しいです。(劉 亦天)
◆登壇者紹介
劉 亦天
コンサルタント / ビジネスデザイナー
事業と組織、短期と中長期の価値づくりが分断せず、相互作用する「多項動態の経営ファシリテーション」を探究テーマに、大企業からベンチャーまで、様々な事業変革と組織変革のコンサルティングに従事。 入社前は、DXによる事業変革のコンサルティング、外資でのマーケティング・リサーチとブランディング・コンサルティング、教育系NPO、教育事業会社を経験。
小田 裕和
デザインストラテジスト / リサーチャー
「考えたり作りたくなる気持ちを孵化させる、場や道具のデザイン」をテーマに、事業開発から組織開発まで、幅広いプロジェクトのコンサルテーションやファシリテーションに取り組む。主な著書に『リサーチ・ドリブン・イノベーション-「問い」を起点にアイデアを探究する』(共著・翔泳社)『アイデアが実り続ける「場」のデザイン 新規事業が生まれる組織をつくる6つのアプローチ』(翔泳社)がある。